2020年11月1日日曜日

ようこそY中組へ

まだ夜も明けきらぬ頃、慎重にエンジンをかけ我が相方を暖機させる。
日が登るのも、随分と遅い季節になった。
煙草に火をつけ、丸い息をひとつ。
ふと見上げると、綺麗な満月が大きく夜空に咲いていた。

なんとなく、毎晩狂ったように走ってた水窪ダムの頃を思い出す。
あの頃は楽しかった。
でも、今はもっと楽しい。

踊るココロを押さえつけ、静かに我が相方をスタートさせた。

 







箱根某所に着いてみると、綺麗な秋晴れの快晴。
だが、紅葉し始めた木々を通して夜露が路面を濡らしている。

”・・・まあ、この時期は仕方ないか。軽く流して終了にするかな。”
実際今朝は、路面温度こそ低いものの絶好のドライブ日和。
それだけでも、早起きしてここに来た甲斐があったというもの。

ところが、気がつくと後ろに白い影が迫っていた。

”なんだ?ポルシェ?・・・いやぁ違う、ルーフハイトがある上にフロントフェンダーの
雰囲気が違う。なんだ?・・・ん?ちょっと待てよ?って事は追いついて来たって事か?”

瞬間、4速のクルージングスピードから2速へギアダウン、いつものペースに戻す。
濡れた復路前半区間だった事もあり、8割のペースで様子を見る。
だが、その白い影は多少離れては行くものの、消えるまでに至っていない。

"ああ、慣れてるな"
と、僕は声に出した。

三国峠の減速区間で偶に見かけるポルシェミーティングを横目に、僕は我が相方を下り区間に放り込む。
ここから先、ブレーキに若干の不安を残す僕のエキシージはS2000程得意とは言えないが
相手が朝焼けさんトコ以外ならまず負ける事はない。
車種はまだ判然としないが、恐らくセダンかクーペボディ。
ライトの形状から、国産というわけでは無さそうだ。
だとすればパワーはあってもそれほど軽い訳ではないだろう。
高速コーナーが続く復路最終区間なら兎も角、下り切るまでなら僕のS2エキシージに分がありそうだ。

そしてそれは事実そうなり、この1本目は終わった。

だが、僕にはひとつ引っかかる事があった。
この感じの手合いだと、走り終えた後必ず”ご歓談”の時間があるものだが
”やっぱりロータスは軽いですね〜!下りは全然ついていけなかったですよ〜”
と言われるのが、最近はなんだか無性に悔しく感じるのだ。

”もう少し付き合ってもらうか。軽さだけではない所を見せてやろう。”
少し意地悪にそう考えた僕はいつもの駐車場でUターンをすると、案の定彼はついて来た。

BMW F80 M3リムジン。
漸く車種が判明し、僕は相手の素性をなんとなく理解し始めた。
確かこの人は僕がウチの悪2000とタイマン張っている時に後ろについて来てた人だ。

”あの重い車でちゃんとついてくるよ、ここで。” 
ウチの銀色の悪党がここまで言う相手なら遠慮は要らないだろう。

僕は往路前半区間を割と本気で逃げた。
だが、確かにコーナーtoコーナーが短い区間なら僕の思惑通り見えなくなるが
少し長めの直線区間ではしっかりその姿が確認できる。
三国の手前でペースカーによる減速を余儀なくされた時でも、彼はすぐに追いついて来た。
すぐ追いつけるポジションにいたと言う事だ。

そこから先の往路下り区間は流石に辛そうな感じではあったが、決して諦める事なく追いすがってくる。

”ちゃんと踏める人だ。”
それが僕の得た印象だ。

そして復路に至っては、430馬力のターボパワーも相まってきちんとついてくる。
流石に細かいコーナーは辛そうだし車重も決して軽いわけではないが、驚くほどしなやかにコーナーをいなしてる。
まるでGTRに乗っていた頃のウチの組長を見ているようだ。
正直、あの頃の組長と走ったなら良い勝負だったような気がする。
ただし、組長よりは上品だが組長ほどのインパクトのある走りではない。

途中、三国峠から先の下り区間で、パイセンとパン屋さん(山梨の天才)のタイマンとすれ違う。
今朝はお互い先頭のようだ。その状況に軽い親近感を覚える。
すれ違いざまにエールを送り、そして僕の方のタイマンはそのまま登りきって終了とした。

しかしながら、久しぶりに顔見知りではない方と真剣に走れたのはかなり満足だ。
その後、その方と色々話をしてみるとやはり半ば常連のような人だった。

”あの、あのS2000の人ですよね?”
唐突に言われ吃驚したが、どうやら彼は元々BMW135(シルバー、カーボンボンネット)
に乗ってここへ通って来ていたそうだ。
”あの”とは、一体何を指すのか僕にはよく分からないが。

しかし、それを言われて僕には合点がいった。
その135とは一度タイマンを張った事がありその時も同じようなポジション(僕が先頭、彼が後ろ)
でかつ同じような印象を持ったからだ。
(ウチの悪2000も彼とは何度か一緒に走ってた筈)

縁とは不思議なものである。

その後、その彼を組長に紹介すると、ウチの組長は喜んで彼をスイフトの隣に乗せ
そして同様にBMWの横にも乗って行ったのであった。
恐らくは"ガー"とか”ズバー”とかの擬音が飛び交うよく分からないレクチャーだったのではないだろうか。
しかしながら、彼はエボ7のN氏の横にも同乗させてもらったり随分楽しんだ様子で箱根某所を後にした。

満足してもらえたなら光栄である。

なんとなくだが、彼はY中組色に染まって行く気がしてならない。
・・・因みに後悔しても一切クレームは受け付けませんからねw

なんだか今朝は、色んな意味で箱根らしい朝でした。

しかし、やはり週末とはこうでないと!
いやあ、今朝も楽しかった!

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4 件のコメント:

  1. 組織拡大よろしくお願いします。
    もっともっと楽しくしていきましょうw

    追伸
    パン屋さん(山梨の天才)に火が付きましたw
    来週が楽しみです。

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    1. 今朝はちゃんと走れました?

      パン屋さんにも火が着きましたかw
      これからさtに楽しみですね〜!

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  2. ガ〰️とかゴーとかウリャとか言ってません!
    でもM3の方の走りは昔の自分に似てるかもw
    ちゃんと会話しましたよ!
    あと、三国先は私も負けん!

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    1. BMW、特にM3良いですよね〜!

      でも、(新しい人に)あんまり無茶なことは言わないでくださいね!
      せっかく興味を持ってもらえたんですからw

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