2017年8月27日日曜日

タイトロープ


約二週間ぶりの箱根。
どうも今年は星の巡りが悪いらしい。
週末に限って雨か白ガスと言う近年稀に見るタイミングの悪さ。
それでも今日は久方ぶりの晴れ、しかも大分涼しく車にも優しいコンディション。

お盆期間中は殆ど雨で、箱根某所もまともに走れなかった所為か
今朝はすれ違う常連さんの殆どがハッチャケておられる。

やっぱり日曜の朝はこうでないと!

だが先日実家から帰神する際、十何年ぶりにゼロクラに乗った青いおっさんに無理矢理サインを
買わされた(¥6000)所為か、僕の意外と繊細なガラスのハートは粉々に砕けており
その後の組長との一戦では終始劣勢でイビリ倒される事に。

いつもよりほんのちょっと早めのブレーキングが、本来のリズムを全部狂わせてしまった。
一昔前ならこれでも対処は出来たハズだが、こうも伯仲してくるとワンミスで全て持っていかれてしまう。
それにいつもの走りは結構シビアなバランスの上に成り立っていると言う事を再確認。

いやあまだまだ精進が必要です。

それでも今朝は涼やかな気温も相まってとても気持ちの良い箱根某所でした。


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2017年8月20日日曜日

初恋は薔薇色の鎖




漸く、漸くだ。
やっと愛機が我が手の元に。

一瞬で暗転してしまった僕の日常は、一部地域と時間帯を除いて我が魂を腐らせるには十分だった。
満たされぬ想いを紛らわす為、校舎の窓ガラスを割って廻ったり行きずりの女を抱きもした。

だが、地上何十センチからの流れる景色やざらついたアスファルトのあの感触の代りにはならなかった。
結局何をしても砕けた我が魂の乾きは癒される事は無かった。
一瞬の快楽は得られても、満足感や達成感がまるでなかったのだ。

しかしそれも今日までだ。
真紅の我が愛機が漸く帰って来たのだ。

思えば、僕の箱根某所第二章(熱闘編)はこの娘と共に始まった。
そういやこんな事もあったな。

焼けたオイルの匂いや直に感じる夏の熱気を受けながら、鮮やかによみがえるあんな事やこんな事。
あれほど満たされなかったハズなのに、ただ西湘やR134を流すだけで欠けたココロが埋められてゆく。

これだ、この感覚だ。
じりじりとした焼けるような熱気も、滴り落ちる汗ですら今の僕には心地良い。

帰り際、昔ながらの酒屋で飲むサイダー。
この時の満足感は、これでしか得られないものだ。
代りなど無いのだ。

僕の一目惚れと勘違いから始まったこの恋は、やっぱり未だに醒めないらしい。

イチイチ高額なパーツを要求してくるし、気難しいそのココロはラフな操作を許容しない。
驚くような性能を発揮する訳でもなく、しかし気位だけは高い。

だが、この娘は綺麗なのだ。
僕は未だにこの娘が世界で一番綺麗だと思っている。

10年近く経ってもそう思える事に、僕はDucatiに感謝したい。


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2017年8月13日日曜日

Shall we dance ?



世の中お盆だ夏休みだと浮かれ騒いでいるようだが、平成なのに昭和みたいな働き方を
している僕には一切通じない。
ビバ昭和、バブルよ再び。

約一ヶ月ぶりの箱根某所。
久々の箱根で前日夜からワクワクしていた僕だが、ちょっとペースを上げただけでも
目がついて行かないのが分かるくらい今の僕は”慣れてない”。

この時点で僕の今日の課題はリハビリに決定。
だが、こういう時にこそ箱根の神は極上のタイミングを提供してくれたりする。

現状把握の一本目の終わり、ちょうどレストハウス手前で百鬼夜行のような朝焼け愚連隊が通過。
しかも妖気を纏ったヤバげな神様が先頭ではないか。

弾かれたようにUターンをした僕は、駐車場で見ていた組長曰く”すげえ勢いで”追いかけ始めた。
無論、その後に組長も続いたのは言うまでもなく。

ただし追いつける程のタイミングではないので、どこかで引っかかってくれるのを祈る。
往路の終わり、復路へのUターンでなんとか追いつきはしたが、僕がUターンしている間に
計3台の朝焼け連隊は全開ヒルクライム。
約5秒遅れで僕も全力で追撃戦に移る。

箱根某所の約3分半に於いて、5秒のディレイは永遠にも等しい。
だがここは天下の険箱根。
誰かが入る事で、一瞬のアクセルオフがあれば状況はすぐに変わる。

そして恐らく組長は三国で待っているだろう。
そこで予定調和を崩してさえくれれば、あとはなんとかなる。

それを信じ、僕は只管アクセルを踏み続ける。
今朝は少しスリッピーでアクセルコントロールに気を使うが破綻しそうな感じはしない。
未だ見えない敵にモチベーションを保ちつつ、僕は三国をめがけて駆け上がる。

三国の手前辺りでちらちらと見え始めた、連隊最後尾。
追いつけるならもっと手前で追いつきたかったのが正直な所だ。

何故なら復路後半の三国峠から先は、連隊主力のロードスター軍団が得意とする所だからだ。
そこまでで差を詰めておかないと、そこから先はただの消耗戦になってしまう。

案の定、朝焼けさんの連隊に割って入った組長は三国峠から先の低速区間で
面白いようにいたぶられている。

僕も一緒になって組長をシバき回してやろうと・・・イヤ違う、アシストしようと朝焼けさんを追うが
あと一歩届かない。

三国から先の区間で必要なのは軽さと回頭性で、その真逆の32Rではいかにも不利だ。
本来復路では三国まででマージンを稼ぎ、三国から先はそのマージンを食いつぶさない程度に
しのぎつつ最後の高速区間で突き放す32Rからしてみれば、三国から参戦したら態々自分から不利になりにいくようなもので、いくら組長とは言え何かしら策があるのだろうと思ってみていたが
どうやらノープランで割って入ってきて勝手に窮地に陥っている。
思考の9割が動物的カンで構成される組長はたまにこういう事をやらかす。

仕方ない。
この低速区間では組長に引っ掻き回してもらって僕は最後の高速区間に備えよう。
その為には、低速区間最後の逆バンク状の右コーナーの立ち上がりがキモだ。
ならば一個手前の左で突っ込みすぎないように気をつけないと・・・。

細かくステップを刻む(復路の)下り後半区間で僕はそんな事を考えながら
赤いロードスターと組長を追っかけていた。

いつの間にかY中組と朝焼けさんの小規模な武力衝突が、ここ箱根某所で展開されていた。
東アジアよりもキナ臭い場所がここにある。

これだ、これだよ。

休日とは身体を休める事が目的ではない。
思い切り遊んで精神的充足を図ってこそ真の休日と言える。
就職する頃にはすでに平成になっていた僕等世代は、昭和の働き方を本当の意味では知らないが、箱根に上がるのも億劫になるくらい疲れ果てていた最近の僕はどうも休日の
意味をはき違えていたらしい。

僕はワクワクが止まらなかった。
やっぱり日曜の朝はこうでないと。
だが、ちょうど下りきる頃第三者の介入で唐突にその戦闘は終結した。

”ここからクライマックスなのに・・・”
あぶない刑事で言えばちょうど鷹山がバイクを乗り回し始める時間帯だ。
残念至極ではあるが今朝はこれで終了になった。

その後、最近よく見るようになった白のTypeSの子を横に乗せ組長と一緒に一往復。
引きつったように笑っていたが、まあ気の所為だろう。
それでも何かのきっかけになれば幸いだ。


ここ最近、日曜の朝に起きれない程僕は疲弊していたが今朝は随分リフレッシュさせてもらった。
やはり箱根某所は最高だ。
道もそうだが、そこを根城にする悪党連中がもっと最高だ。

こんな場所、他にない。
ガチの鉄火場だが、そこから先は目眩くワンダーランドだ。
そして来月にはまたヤツが来るらしく、今準備に勤しんでいるようだ。
どうやら箱根の夏はまだまだ終わらないらしい。

今朝も最高だった箱根某所。
来週もまた熱いと嬉しいな。

あ、その前に我が相方を取りに行かねば!



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