2011年4月5日火曜日

SAD story

”正直これからどうなるかわかんないよ・・・”

私には”葬儀屋さん”に勤めている友人がいる。
上の台詞はその友人が吐いた言葉だ。
友人の勤める会社の葬祭部門は今、震災以後休み無く働いている。

被災地で荼毘に付す事の出来ない遺体を運び、地元の米沢で火葬するためだ。
そしてそれは米沢だけでなく、他の自治体でも同様に受け入れが実施されている。

今震災ではインフラや他の建築物同様、火葬場も甚大な被害を受けており
しかも残っている火葬場だけでは、日々膨れ上がる犠牲者の数に対応できない為だ。

依頼があるのは自治体だけでなく、個人から直接というのもあるそうだ。
こういった事例は今まであまり例が無く、依頼されているとは言え殆どボランティアみたいなものらしい。

”なんかヒトの心が荒んできてる。日が経つとそれがわかる。”
そう彼が言っていた。

前例が無いとは言え葬儀である事に変わりなく、米沢にある火葬場まで無論家族も同行する。

最初の頃は無かったらしいのだが、最近はその送迎に使うマイクロバスが汚される事が多くなったそうだ。
食べ残しやジュースの飲み残し、お菓子の袋等散らかしたままの状態が多く見られるようになったと。

勿論、被災者の方々の心情を考えれば大した事じゃないかも知れない。

しかし正式な依頼で正規の料金ではない、半分ボランティアの格好で仕事をする以上
そこに存在するのは友人や友人の同僚たちの良心だ。

だからこそ、私の友人は何も言えなくなる。

似た事が地元の米沢でもある。

今、米沢では被災地から避難してきた方を受け入れている。
その被災者の方々の多くは地震・津波で家を失ったとかではなく、放射性物質の飛散から逃れて
避難してきた方々との事。

そんな彼らが米沢の繁華街や温泉地で暴力沙汰や揉め事を起こしたりして問題になってるそうだ。

また、ボランティアの方々が炊き出しや食料の配給を実施している。
しかし、大量のおにぎりが残されていたり、または捨てられていたりするのを目にするのも多いそうだ。
中には”こんなもん食えるか””米沢牛は出ないのか”と言った苦情まで出ているとの事。

今は”ボランティアに行くと悲しくなる”のが現状らしい。

もちろん、そんな人達ばかりじゃないだろうし、それは極一部なんだと思う。
避難当初はそんな事なくても長引くと、又先が見えなくなるとやっぱり不満も出るのかもしれない。

今回被災された方々の心情は”悲しい”なんてもんじゃない事はバカな私でも分かる。

しかし捨てられたおにぎりを目の当たりにしたボランティアの人達の気持ちを考えると
どうしてもやるせない気持ちになってしまう。

悲しく、そして悔しい。

今回の震災後、色々な報道や事実を知った。
悲劇も美談もたくさん見た。

しかし今日ほど悲しくなった事はない。
一次被災をしていない私にはその資格がないかもしれないが、一つだけ言わせてほしい。

”笑顔には笑顔で、善意には善意で”返そうよ。
今は難しいかもしれないけれど、少しだけでいいからボランティアの人達の気持ちを汲んであげてください。

お願いします。

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