2021年7月25日日曜日

東京リボーン

 


正直なところ、僕はあまり東京オリンピックには興味がなかった。
部活で野球はやっていたけれど、そこに対する興味はとうに失せてしまい
スポーツと言えばモーターレーシング!と思ってしまう僕には、あまり特別感のないイベントだったのだ。

ただ、震災以降なんとなく自信を失ってしまった日本人、どこか閉塞感の漂う日本という国に対し
25年の万博も含めて、日本で日本人も含めて世界中の人と共に熱狂して騒いで
何かしらの起爆剤になれば良いなぁ・・・と漠然と思っていた程度。

そんな折、NHKが放送していたこの”東京リボーン”という番組。
これがとても面白かった。

内容は、東京オリンピックを契機に環境や持続性を考慮した新しいまちづくりの裏側を追ったもの。
主に大規模建築(各オリンピック会場の建設やJRや地下鉄といったインフラ系の大改造)の
記録映像的なものではあるが、今まで知らなかった日本の建築技術や
そこに携わる人々のプライドみたいなものが垣間見れてとても胸が熱くなる。

何よりびっくりしたのが、新国立競技場のような大規模建築で精度がミリオーダーだった事。
あれ程の規模でミリオーダーって・・・。
(厚さや長さのようなサイズ公差だけじゃなくて座標点のような幾何公差も含めて)
お金かけたり人手をかければどうにかなる!なんて単純なものじゃないだろうに。

予算規模や生産数、そもそも工法が違うから単純な比較にはならないけれど
車(例えばシャシー)だって、精度で言えばミリオーダーなのに。

(因みに一番びっくりしたのが、地下鉄のトンネル工事なんかに使われるシールドマシン。
あれ、地下に置き去りなんだってね。東京の地下には千単位のシールドマシンの骸が眠ってるみたい・・・。)

こういうのを見ると、意外と知らないけれど日本ってすげえなあ!って改めて思う。
もちろん、建築だけではないけれどね。

そういう意味で言えば、オリンピックの開会式。
色々賛否両論あるみたいだけれど、僕は単純にすごいと感じた。
開会式のコンセプトや見せ方云々の話ではなくて、あの開会式に登場したものは
例え”日本発”ではなくても、その殆どが日本が磨いてきた世界に誇るコンテンツや技術。

正直、突然ドラクエのテーマが流れてきた時は鳥肌が立ってしまった。
(評価の高いドローンアートについては、僕はどちらかと言えば専門家に近いので何も言わない方が幸せだと思うw。ただ、2Dから3Dに移行した事で表現の可能性はずいぶん広がったように感じる。)

とても多様性のある国とは言えないし多民族国家でも無い日本が
これほどのユニークネスをもって世界に影響を与えてきたものって
僕ら日本人が思うよりも沢山あるんだなと、僕は思わず感動してしまった。

今オリンピックでは、開催前に色々な事が起きて露呈して最後の最後にケチまでついて
見る側のハードルが大分下がってしまった所はあるかもしれないけれど
それでも、僕は、日本はもっと自分を誇っても良いのではないかと思う。
オリンピックのような晴れ舞台で、歌舞伎のような伝統的な芸能から最新技術まで
あれだけ堂々と発表できる物を沢山生み出してきたんだもの。

正直な所、あれだけ豪運の安倍さん
・・・(余談だが、僕は安倍さんの背後にはとんでもない力を持った占い師か祈祷師がいるんじゃないの?と思ってる)・・・
が去年辞めてしまった時、何かしらの理由でオリンピックが開催できない状況に陥るのでは?
と思っていたが、案の定、開催を望んでいるのは組織委員会(とIOC)だけじゃないの?
なんて状況になってしまったが、それでも様々な制約がある中で、あれだけの形にして見せた
関係者の方々には、もう感謝しかない。

開会式を見ながら、本当はこの会場一杯にお客さんが入って欲しかったと
工事関係者は特にそう思ってるんだろうなと、僕は一人で勝手に胸が熱くなってしまった。
少なくとも、あの開会式を支えてくれた表に出ない関係者や
それこそ会場建設に尽力してくれた職人さんたちに、僕は最大限の敬意を表したい。
そして、今日本に来ている海外の方や、これから日本に遊びに来る海外の方々には
日本という国を知ってもらって楽しんでもらいたい。

僕は楽しかった!
東京リボーンも含めてね!
少なくとも、その内規制が解除になったら今回作られた会場は見に行きたいね!

ただ惜しむらくは、延期の時点で無観客は想定できただろうから
VR技術やスポーツテック技術で、新しい視聴スタイルをPoCレベルでも良いから
構築できなかったのだろうか?と、エンジニアの僕はそう考えてしまいますね。
もしかしたら、放映権の絡みでTV以外の観戦提案は黙殺されただけかもしれないけどね。

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