2015年4月18日土曜日
The game has begun
確か3往復目だったと思う、濃いガンメタリックのR32GT−Rがのそりと駐車場から出てきたのは。
それまで僕は、フロントに対して一瞬遅れるような挙動を示すリアのセッティングをどうしようかと考えていた。
つまり6〜7割程度のペースで色々考えながら、何方かと言えば目を慣らすつもりで箱根某所を
楽しんでいた筈だった。
だが、今僕の目の前には先ほどのGT−Rがマフラーから火を噴きながら
箱根某所の往路を駆け上がっている。
ハイブースト仕様なのか、どうも燃調が濃い目らしい。
時折飛んでくる小石は、相手のタイヤがハイグリップで在る事を物語り、かつ挙動を見れば
そのタイヤに合わせてきちんとセットアップされている事が良く分かる。
あれだけフロントヘビーのR32GT−Rで、これだけプッシュできるのはその信頼性の現れだ。
速い。
気を抜けば一瞬で消えてしまいそうだ。
ただ、時折乱れる挙動はやはり”重さ”から来るものだろう。
うまく去なしてはいるが、ベース車体のジオメトリーはどれだけ弄っても”個性”として必ず残る。
そして、ここに至るまで三国峠までのハーフで1往復、フルコースの往路をこなしているのだ。
このフルコースの復路ではその重量がかなり効いてきている筈。
つまり、三国峠までの上り区間で僕がどれだけついていけるかが勝負になる。
下りはS2000、上りはGT−Rに分が在り、上り下りに関わらずコーナーの
進入から真ん中まではS2000、立ち上がりはGT−Rに分がある。
だが、上りにも関わらず立ち上がりでそれほど離れていかないのは、アクセル開度の違いの他に
もしかしたらターボの特性が関係しているかもしれない。
つまりターボラグが大きいのだ。
これだけ情報が揃えば十分だ。
GT−Rとの差はコーナー一つ分。
この為に僕は、都合3本先頭を走り突っ込み重視のペースを作ったのだ。
僕は三国峠から先の下り区間で勝負をかけるべく、我が愛機S2000をダウンヒルに放り込んだ。
最初のストレートが短い中速コーナーで足がかりを作り、勾配がキツくなるその後の下り区間で
僕はGT−Rを追いかけ始めた。
コーナー一つ分の差は瞬く間に溶けて消え、事態は完全なドッグファイトの様相を呈していた。
ストレートらしいストレートが無いこの下り区間では、ブレーキングが強力な武器になる。
ここではRB26のパワーも存分には活かせない。
これが楽しくない訳が無い。
仕事上のトラブルも腹の立つ事もこの時ばかりは頭から完全に消える。
僕はフロアを踏み抜かんばかりにアクセル踏んでいた。
きっと顔は笑顔で満ちあふれていた事だろう。
僕の狙い通り、ここでは乱戦になった。
この先が上り区間で、明らかに不利になる僕はその前の時点でこの状態に持ち込みたかった。
そうすれば上りながらの左の高速コーナーを起点に、RのパワーにSの足回りで勝負できる。
そして事態はその通りに進行し僕の初戦は終わった。
その後Rのオーナーさんと車談義。
この方とは初対面だが常連さんで良く見かけていたので予想はしていたが、やはりというか”本気組”だった。
だが、もし良く見かけていなかったとしても僕はこの人の本気さ加減と速さはすぐに理解できたと思う。
彼もそうだが、車同士で意思の疎通が出来る人は殆ど例外無く速い。
何度かペースダウンを余儀なくされた時でも此方の意思を瞬時に理解してくれるので
安心して絡む事が出来る。
そして10km前後のこのコースで、恐らくラップタイムにすれば1秒も違わない
人と本気で無差別級のバトルが出来る。
これほど熱くなれる事が他に在るだろうか。
勿論暗黙の了解やルールとマナーを守った上での話だ。
今から10年程前、まだ”流行っていた”時期ですら本気組のGT−Rとバトルする事は殆ど無かったが
雰囲気のあるGT−Rと勝負できた今朝は本当に楽しかった。
気分は上々、初戦としては最高だ。
キクチ君のインプレッサも仕上げは上々のようで、こちらも楽しみだ。
今年はいつも以上に楽しくなりそうな、そんな予感がする。
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お久しぶりです。
返信削除きょう箱根某所にいらしてたんですか!
俺、今朝ターン〇イク1往復した後もしかしてと思い箱根某所にいったんですよ~
でもパーキングにポルシェ数台がいて・・・
そのままスルーして箱根某所の見晴らしの良いところで写メとって帰りましたよ。
ただ箱根某所に着いたのは7時くらいです。
空気圧を規定より高くしたせいかタイヤの性能かグリップ悪くてターン〇イク、箱根某所ではいつもの速度でも、とくに
リアがズルって感じで怖かったです。
やっと冬が終わったのに・・・タイヤ交換かもです。
お久しぶりです。
削除来てたんですね!!
入れ違いになったのかな。
空気圧は規定より少し落とした方がグリップ感は感じられますよ!
ありがとうです。
返信削除試してみます。