2013年10月27日日曜日

Dance in the SKY





”右向け右”が支配するこの国で、ともすれば”その他大勢”に埋没する事が良しとされるこのご時世
これほどの”個性”を維持する事は、”平均的である事”を教え込まれてきたマジョリティにとって
異端以外の何者でもない。

世が世なら火炙りだ。

だが、彼程熱く真剣に生きている人間はそうはいない。
馬鹿げた事だと笑う人間も多かろうが、羨ましく思う人間もまた多いだろう。

そんなガレージキクチ氏から連絡があったのは一ヶ月程前だ。
”遊びに行きます”との言葉を額面通りに信じた私は、”ドライブがてら観光にでも来るのだろう”と
思っていた。

だが、一週間前の彼のブログにはその本気度を示すように熱の入った整備記事が上がっていた。

ここに来て初めて私は彼が”戦い”に来るのだと、全身に震えが走った。

戦における勝敗とは、そこに至るまでの過程の帰結、結果だ。
その場の”善し悪し”では決して決まらない。

そこで、最早何をするにしても時間がなかった為、私は”戦略”で勝とうと考えた。

彼のアドバンテージは車に対する17年の練度と彼自身のポテンシャル、そしてトルクだ。
対する私は、道に対する習熟度と路面状況を知っている事が武器だ。

幸か不幸か、箱根は前日の夜まで雨。
この場合、晴れようがガスろうが雨は確実に路面に残る。
しかもその場所を私は熟知している。

ならば私の取るべき戦略は、前日の雨が残る日陰の、しかも高速コーナーで
アドバンテージを取り、それを守る事。

しかし、彼はどんな路面状況であれ”それ”に対応できる程、正確にセッティングを合わせてきた。
最初のいくつかのコーナーを抜けた後、ミラーに思いの外大きく映るインプレッサの”バッテン”印に
私は自分が思っていたよりも遥かに動揺してしまった。

この段階で、最早勝負は決したと言って良かった。
思い描いた戦略はあらかた吹っ飛び、あとは単純に個人の技量に因る接近戦となった。

結果、私は敗北した。
これがお互い見知らぬコースなら兎も角、ここは私のホームだ。
これを完敗と言えなければ、私は成長しないだろう。

正直に言えば悔しくてたまらないのだ。
少なくとも、今夜は眠れそうにない(笑)。

しかし、清々しいのも事実であり、また楽しかったのも本音だ。
バイクは一人で走っても楽しいが、車は誰かと走った方が楽しい。

思えば、最近は車で誰かと走った事など記憶に無い。
S2000で走りに来てはみたものの、どちらかと言えば流す程度で、”踏めなくて”
我慢する事など無かったように思う。

だが、彼は”その程度”でなんとかなる様なオトコではなかった。
つまり最大の敗因は私の認識の甘さということだ。

ならばこれから私がすべき事は決まっている。
まずは、もっと上の領域で限界を試さねば。
できれば11月中に一度、サーキットで確認したい。


今回、彼が来て一緒に走ってみて感じた事は”やっぱり車は楽しい!”だ。
それと、彼と戦るのはバイクよりも車の方が楽しい。
それが箱根なら尚更だ。

さて、楽しくなってきた。
何はともあれ、先ずはウチの相方洗ってやんないと。

お疲れさん!




2 件のコメント:

  1. こんばんわ
    久々に楽しい時間を過ごせました。
    この時間が凝縮されたような瞬間を
    感じたいがためだけに
    最近生きてる気がします。
    おつきあい頂きありがとうございました。

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  2. いえいえこちらこそ!
    次はこちらの番ですからw

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