2012年3月1日木曜日

Da vinci:code japanese edition

先日、日本国内でのDa Vinci(ダヴィンチ)による前立腺がん手術に公的保険が
適用できるようになったそうだ。(4月から)
※ダヴィンチとは米国製のマスタースレイブ型の内視鏡下手術用の医療用ロボット。
腹腔手術とおなじだが、医師が直接手術器具を動かす訳ではない。内視鏡が映し出した
3D映像を見ながら手でコントローラを操作する。コンピュータが微妙な手ぶれを補正し
執刀医の手の動きを数分の一に縮小して鉗子に伝える。

最先端治療であるダヴィンチによる手術は、無論高額になる。
しかしながら、素手で行う手術とは違い小さな傷口で済む、つまりオペ中のリスクも
また術後のリスク(合併症、長期の入院)についても少ない。
特に傷口が小さくて済むのは女性にとっては大事な話だ。

そして、手術そのものの成功率も素手で行うものより高いのだそうだ。
※ダヴィンチでは7〜8割程度の成功率と聞いた事がある。

メリットの多いダヴィンチだが、費用が100〜200万と言われて
”はい、そうですか”と払える人間なんてそうはいない。

しかしその費用が高額医療費制度を利用すれば10万程度に抑えられるようになる。

これは患者にとっては朗報だろう。
ただし、前立腺がんだけである。
これは米国製である故、実績となった症例が欧米人に多い前立腺がんである為だ。

一方日本人に最も多いの胃がんと言われている。
だが、今回胃がんは適用外となった。
ダヴィンチによる実績が少ない(欧米での胃がんの適用例が少ない)からだ。

また、ダヴィンチは欧米人サイズで造られている故、日本人とは少しサイズが合わない
と感じる事もあるそうだ。
また、”柔らかい”とか”堅い”といったフィードバックも無いという。

これはビジネスチャンスだと私は思う。
例えば

医者「残念ながら悪性でした。」
患者「・・・それはつまりがん、ということですか?」
医者「率直に申し上げればそうなります」
患者「・・・」
医者「ですが、落ち込む必要はありません」
患者「どういうこと、ですか?」
医者「実は、最近認可されたこのメーカーのこの機械を使って手術すれば成功率がかなり
高くなるのです。また、術後の回復も早いですし、何より患者さんの負担が格段にへります。それと、保険が利くので肉体的にも精神的にも優しい手術ですよ。がん治療が辛くて
苦しいのはもう昔の話です。」
患者「ほんとですか!是非お願いします!」

これは結構説得力のあるストーリーではないかな。
保険適用までイケれば患者さんにも医者にもメーカーにもメリットのある話。

レントゲンビジネスと同様、日本人(というよりはアジア人)の体格と彼らに多い症例
に合わせた和製Da Vinciは結構イケてるビジネスじゃないかなぁ。
※レントゲンは機材で稼ぐ、というよりは撮影フィルムで稼いでいる。
Da Vinciのようなモデルケースでも定期的なメンテナンスと消耗品で安定的に収益を
得られる可能性がある。

ただし、開発から実績、認可まではおそらく10年単位での期間が必要になる。
新規の場合はそれがネックになる。
薬事法の認可を取るのも一筋縄では行かない話だし。

が、技術的にもビジネス的にも魅力はあるんじゃないかな、和製Da Vinci。
多少の複雑さはあっても、医学的な知識さえあれば誰にでも使えるようなユーザー
インターフェースが出来れば、それだけでも色々応用は利きそうだしね。

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