一人は1割の快楽の為に9割の苦痛を良しとするモノだ。
例えば一瞬の快楽の為に、”熱い””寒い”を我慢して一年中バイクに乗り続けるような
モノ達はこれに属するだろう。
所謂一般的に”ヘンタイ”と呼ばれる人達だ。
もう一方は、残りの9割すら苦痛とも思わない、言い換えれば”バカ”だ。
頭のネジが2〜3本飛んでるような、いやそもそもネジが存在したのかどうかさえ
アヤシイ社会不適合者とも言える連中である。
つまり”生きてるだけでラッキー”な人生葉っぱ隊だ。
彼らの行動原理は至ってシンプルである。
”走る”事だ。
それ以外はどうでも良いのである。理由すら必要としない。
例え前日にハイサイドを起こそうが、翌日にはケロっとして走りに来てしまうのだ。
※民明書房刊”人生ハイサイド”より抜粋
そんな上級なドヘンタイがまた箱根に現れた。
G・キクチ氏である。
彼は”自分はかなり強力な晴れ男だ”などと吹聴していたが、正直な所私は然程関心が無かった。
しかし、今朝9:30過ぎ。
なんとか保っていた箱根某所の天気も崩れ、ぽつぽつと雨が瞬き始めた。
こりゃだめだ。
ちゃちゃっと帰ろうと思っていたら見慣れた緑色が。
そして、彼が通り過ぎると嘘のように雨が止み、花が咲き乱れ始めた。
・・・ハ?
そして彼が箱根某所を何往復かすると、雨どころか晴れてしまった。
どうやら彼が雨雲をどこかに吹き飛ばしてしまったらしい。
狐に蹴飛ばされたような感覚の中、私はその時突然理解した。
彼はやはり上級のヘンタイなのだと。
その事を、走り終えた彼に伝えてみるとどうやら特別な事ではないらしい。
やはりこの漢は何か持っている。
その後は彼と本当にたわいもない話を約20分。
たったそれだけでも、自分には十分意義のある時間となった。
・・・楽しかったってことさ。
ただ、高々100km前後の朝練ではイケる筈も無く。
ムルティなら尚更だ。
だから、出てきたついでにぐるっと横浜まで。
大桟橋まで行ってみたが、行ってみただけ。
写真を撮るなら、朝か夜じゃないとここは雰囲気でないね。
帰り際、この世の終わりのような夕焼けを見た。
これだけでも出かけた価値がある。
たとえ明日でこの世が終わるとしても、私はその最後の瞬間まで走っているだろう。
レザーのスーツで正装して、相方と最後のデートを、きっと笑いながら。
私はそれしか知らないが、それ以上も見た事が無い。
理由なんか元々必要としていない。
そんな事を考えながら、ムルティを走らせ帰路についた。
うん、今日も楽しかった!
さて明日は何しようかな。
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