"・・・だからこの・・・ガタガタってノイズ・・・なんとかならんのか・・・"
緩めの右コーナーを6速で抜けながら、横Gに抱きとめられながら独白する。
首都高の道の悪さは今も変わってないようだ。
決して柔らかいとは言えない、締め上げたテインの足も相まってか
普段は然程気にしないハードトップの接合部の異音も少し気になる。
それでもなんとか聞こえるカーステレオから”久宝留理子”の曲が流れてくる。
”男”で”男なんて・・・”と歌いながら、”薄情”では”女なんて・・・”と歌い上げる
この人は一体何が言いたかったのか。
ただの”発散”か?
ま、そう言った意味では今の私も然程変わらん。
半ば、”色々吐き出したくて”出てきたようなものだから。
流れるテールライトの赤い色を見ながら少しだけすっとした顔で
煙草に火をつけ丸い息をひとつだけ。
なんか、懐かしい。
馬鹿げた時代を過ごしてきた連中の、今の時代に対する
愚にもつかないセンチメンタリズム。
カッコ良く言えばそうだが、実際のところは時代錯誤だろう。
もう、そんな時代ではない。
それでも私は、こうして”どこかのパーキングエリアに佇む我が相方”を美しいと思う。
こうして深けていった土曜の夜。
たまには、こんな夜も・・・ね。
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