2013年4月21日日曜日
ロボット革命
※注:今回はロボットに興味の無い人には至極つまんね〜内容です。
少し前になるが、NHKで放送された”ロボット革命”。
メインはホンダのASIMOだったのだが、方針が変わったのだろうか?と思うぐらい
ASIMOの内部を公開していた。
実は今、人型ロボット:ヒューマノイドが熱い。
特に海外で。
キッカケは福島の原発事故。
危機に際し、何も出来なかった反省を踏まえ人間が活動できない極限状況下で人間
のかわりに危機に対応するロボットを開発しようというのが、米国で始まったためだ。
正確にはDARPA robotics challenge (以下DRC)という。
これに原発対応用ASIMOの開発も含めて放送したのが今回のロボット革命である。
一応ロボット関係者の端くれとしては見なければと思っていたのだが、実際に見て
ASIMOの洗練さ以外で気になったのは二つ。
各ロボットの機体構造とやたらとAIという言葉を使っていたこと。
まず、各ロボットの機体構造だがこれはどのロボットも至って”普通”。
今のASIMOがいつ設計されたのかは分からないが、それを加味してもASIMOは普通に見えた。
ただ、ASIMOの各関節がベルト駆動だったのが意外だった。
ベルト駆動であれば比較的モーターレイアウトに有利だが、ベルトそのものが一般品であり
必然的にベルト長が一般規定値に限定される為、言う程有利という訳でもない。
無論、ベルトを一から設計できる予算があれば問題は無かろうが、実際に製造する為には
多分今想像されている金額の一桁違いの予算が必要であろう。
それと、モーター+ベルト駆動のレイアウトである事から各関節で
”個別にセンシングしていない”事が予想される。
これは至極一般的な構造であり、ヒューマノイドにおいて僕が知る限り良く見られる構造だ。
だが一番気になったのは原発対応用のASIMOの下半身。
特に足首。
よく見ると足首のRoll軸はリンク機構になっており、ひざ下のモーターから
リンクが伸びていると推測できる。
これは少しでも足首を軽くする為であり、二足歩行二足走行では有利に働く。
気になったのは、これが原発用であり番組で紹介されていたASIMOのイメージCG
では”四つん這いでの匍匐前進”のようなものがあったことだ。
この場合、二足歩行時よりも遥かに大きな可動範囲が必要になる。
特に顕著なのは足首のPitch軸である。
この大きな可動範囲のPitch軸とリンクに因るRoll軸を両立させる足首構造が気になったのだ。
これは僕自身実際に計算し検証して確認してみようと思っている。
さてもう一つAIの話。
僕も含めて本質的にAIを知らない人からすればAIと言われると”自分で勝手に考えるもの”
と考えがちだ。
少なくともそういうイメージがついて回る。
だが、所謂ロボットは自分で”勝手”に考えて行動したり出来ない。
飽くまで与えられた入力に対し適切な値を出力しているに過ぎないのだ。
言い方を変えれば言われた事しか出来ない。
そういう意味ではロボットもパソコンもなんら違わない。
そもそも現在のアーキテクチャでは、AIも突き詰めればプログラムであり
アルゴリズムに過ぎない。
どんなにセンサーを追加しても、CPUのコア性能を上げても人間のように
自発的に行動できたりはしないし、インスピレーションも生まれないのだ。
音声認識と発話に因る意図推定技術、膨大なマッチングデータベースで限りなく
人間側の命令入力作業は楽にはなるが、決して”自我”が生まれる訳ではない。
だが、今回のロボット革命ではまるでロボットに自我があるような言われ方をされていた。
僕はここに非常に違和感を覚えた。
福島の原発事故後、HONDAに寄せられた”ASIMOに原発作業が出来ませんか?”という
要請が表すように、ちゃんと説明しないとまた世の期待とロボットの現実が乖離して
しまうように思えてならないのだ。
HONDAの方も言っていたが、”実は何も出来ない”なんてもう通用しない。
だからこそ、言葉の使い方には気をつけなければと心底痛感した。
色々書いたが、例えNHKにどんな意図があるにせよ、ロボット技術の軍事転用に
対する是非があるにせよ、僕としては結構面白い内容だった。
番組を見た同僚が”(ASIMOに)勝てる気がしない”と零していたが、そもそも僕はASIMOと
勝ち負けを競う気など無い。
僕の相手はこの世界そのものだ。
そこに住む世界中の人々に”お〜!!””すごい!!”と言わせたい。
世界中の人々をワクワクさせたいんだ。
僕の目的はこの一点のみ。
ただ、それによって困っている事がひとつある。
仕事とプライベートの区別が曖昧になりつつある事だw
いよいよもって本格的にワーカホリックになりそうですw
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