2020年9月22日火曜日

Perfect day

 

世間では4連休だなどと実しやかに語られているようだが、僕には通じない。

だが、GWもお盆休みですらどこにも行けなかった人達が親の仇を取るかのように
行楽に出かけている為、若干混み気味のR134が嫌が応にでも僕にそれを感じさせる。
最終日だから大丈夫だろうと思いつつ、一応早めに出た僕もその流れに取り込まれてしまう。

それでも涼やかな海風がとても気持ちが良い。

少し前まで異常に暑かった湘南エリアも、最早秋の匂いを感じる程に。
いつの間にか、昇りゆく朝日を浴びながら海沿いを走る季節になってしまった。

今年はどうにも時が過ぎるのが速い。

箱根某所は快晴。
空気も清廉で、ここは既に秋の空。
某所までの山坂道も今年一番と言っても良いくらいに快適な空気。

ゲートオープンと同時に侵攻した僕は、途中ウチの悪2000とガワだけジェントルマンのO氏とすれ違う。
いくら快適なコンディションとは言え、根本的に求めているのはソレではない僕らは
エンカウントしたら即座にオープンコンバットが基本。
挨拶は、互いの”ルームミラー越し”がスタンダードなのだ。

今朝はウチのS2000が来るかな?と思いつつクーリングペースで流していると
やってきたのは随分車高がぺったんこな車。
アレ?と思う暇もなくガワだけジェントルマンのO氏は当然のように車間を詰めて来る。

正直な所、僕が今もっとも苦手とするのがこういう病的な軽量車両。
僕のエキシージは加速だけはするので、少しでもストレートがあれば、コーナーtoコーナーで
多少のマージンが稼げる。
だが、今駆け上がっている復路前半で稼いだマージンを、三国峠から先の区間でジワジワと
削り取られていく瞬間が、精神衛生上、実によろしくないのである。
僕自身がそうであるように、また僕が対組長戦(GTR)や対S氏(シルビア)でやっていたように
軽量車両は兎角そういう戦略に長けている。

思った通り、命の泉から先の区間では、思う存分に甚振られてしまった・・・。

そこから先、どれだけ僕が良い走りをしようと、実質的に今朝は僕の完敗だ。
終始ニコニコしているO氏の表情がそれを物語っている。

ただし、後ろから見ていたO氏に”綺麗に荷重かけて曲がっていけるようになったね”
と言われたのは嬉しかったな。
僕が知る限り、ロータスのような軽量MR車両については天辺の人だけに
”(走っている時の)後ろ姿が綺麗"というのは僕にとっては至上の褒め言葉だ。

しばし休憩した後、僕はそれを確認したくもう一度コースインすると
いつの間にか今度はウチの銀色の悪党がやってきた。

まだ油温が十分に上がっていない事もあり、僕は徐々に速度域を上げて行ったのだが
なぜか今朝は一向に離れていかない。
だんだん頭にきて、全開で引き離しにかかるが、復路でも往路でも必ずミラーの端に写ってる。

明らかにこの前とは違う。
僕自身S2000のオーナーだけに、コーナーの旋回速度で敵わないのは知ってはいるが
それでもこうも良いように炙られると屈辱だ。

O氏同様、執拗に炙りにかかるのは(復路における)三国峠から下り切るまでの区間。
往路においてもソレは同様だが、その部分に至っては僕のエキシージのギア比が合わない
問題も絡んで来る。

ギア比についてはおいそれと変更できない事もあり、しばらくは走り方と
タイヤサイズの変更でどうにかするしかあるまい。

そう言えば、僕と悪2000のタイマンにウチの白いTypeSの子が絡んできた。
勿論、しばらくすると彼は視界から消えていってしまうのだが、彼はまだまだここからだ。

走行後、”どう?”と聞いてみるとやはり”動く足”にまだ慣れないらしい。
2年前くらいの悪2000同様、動き過ぎるのが怖いらしい。
僕は逆に動かないと怖いが、それはタイヤのエッジを削り取る感触が薄いから。
彼の場合、まずはステアリングを通してタイヤの接地状態を感じる所から始めた方が
結果的に近道のような気がする。
以前に比べてタイヤからの情報量は桁違いのはずだし、タイヤにはまだ余力があると思うので。

”どうやったら速く走れるか”ではなく、”どうやったらタイヤを使い切れるか”を考えた方が
結果的にベターな気がするな。

僕や菊地君の世代のように、限界が低い所から右往左往して現在に至った"訳ではない"今の子達は
そういう所から始めた方が安全に楽しめると思う。

今朝の箱根某所はあらゆる意味でパーフェクトだった。
似たような人達とタイマン張れた事もそうだが、遊びに来てた車も510ブルや27トレノ
Z31やNAロードスターにエリーゼ等、箱根に似合う車ばかりが勢揃いしてた事が大きい。

生ガスの懐かしい匂いが大いに漂う箱根某所も随分懐かしい。
やはり箱根には少し古めのエモーショナルな車がよく似合う。

帰り際、鎌倉の街中で出会った240Zなんかまさにそう。
新型Zも発表されたらしいが、やはりZと言えばこっち(もしくは30か32)だ。
今とは安全に対する考え方も交通法規も随分違うが、それでも僕はこういう車の方が好きだ。
速い遅いの話ではなくて、色気があるかどうかだ。
何故かは分からないが、設計者の意図や目的がはっきりしている車ほどソレを感じる気がする。

うん、今朝は本当に楽しかった。
箱根もが良かったの勿論、まるで出来の悪い茶番のように渋滞している江ノ島から先のR134を
ほぼキャンセルできる回避ルートを漸く構築できた事が、まるで昔からこの辺りに住んでる
地元民になったみたいで地味に嬉しい。

雨が降ったり止んだり、やたらと渋滞していたりと、大した連休じゃなかったな・・・
と思っていたのがまるで嘘のよう。

All's well that end's well.

うむ、良い連休でした!

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2020年9月5日土曜日

The DUEL






台風直前の箱根某所。
波は高いが、天気は暑いくらいに快晴。
その所為か、湘南エリアはこれだけ朝が早くても既にサーファーで混雑している。
しかし対照的に、箱根は閑散としていた。

明日のコンディションがそれほど良くはないであろう事は想像に難くない為
今朝は割と流行るかと思いきや、そこに現れたのはLotus乗りでPorshe乗りのO氏のみ。

別名:ガワだけジェントルマンの魔界紳士。

先に到着していた僕が駐車場でUターンしていると、そこに颯爽と現れた。
僕は急いで彼の後を追うが、間に一台入ってしまい往路はそのままひとり旅。
そこで僕は三叉路で彼を待つ。
鳥のさえずり以外何も聞こえない静寂の中に、水平対向6気筒のエンジンサウンドが聞こえ始めた頃
僕は我が相方をスタートさせた。
未だにフィルムによる飛び石対策をしていない僕は出来れば先行の方が都合が良い。

やがてミラーに白い影が映り始めた頃、僕はその影を消さんと我が相方に鞭を入れる。
しかし、それがどれだけ難しいかは、何より僕自身が知っている。

実は僕自身、ノーマル及びライトチューンという制限を設ければ現状ではケイマンGT4が
箱根某所において最もバランスが取れた車両ではないかと思っている。
簡単に言えば、S2000の上位機種みたいなもの・・・だろうか。
それともF22のような最新の戦闘機とでも言えば良いのだろうか。

対する僕の相方はMRと言う点では同じだが、どちらかと言えばRRに近いディメンション故
重量バランスは決して良くはない。
唯一のメリットである軽さを生かし、アクセル開度の高さで勝負する。
どちらかと言えばF16のような特殊な戦闘機に近いかもしれない。

しかし、F22とF16どちらが強いのか?にあまり意味がないのと同様
GT4とS2エキシージがどちらが速いか?なんて比較にも、同様に意味がない。

何故なら、あらゆる場所、環境で常に最強の機体など存在しないからだ。

極論すると、あらゆる速さと強さは環境(とルール)に依存する。
その環境にどれだけ自分の車両を合わせていけるか、チューニングとはそういうものだと僕は考えている。

そして、比較的低中速向けのコースに合わせられている僕の車両は、ここ箱根某所においては
いかに相手がケイマンGT4とは言え、決して見劣りしてはいない。
とくにコーナーからの立ち上がり、加速においては決して負けてはいない。

そしてこの日の僕は、今までにないくらいのアクセル開度率だったのかもしれない。
今までは、どちらかと言えばオンザレール的な走りだったのが
今朝に限っては弱アンダーからの4輪ドリフト的な走りが、多少なりとも感じることができたからだ。

うん、漸くMRの乗り方が少しわかってきたのかもしれない。

結局のところ、エキシージとGT4の車間は広がったり縮まったりを繰り返し
一定程度の車間を保ったまま、今朝は終了した。

その後は、O氏といつものように他愛もないおしゃべりを楽しむ事に。
結局今朝は、Y中組と朝焼けさんの所からは僕とO氏のみの出席。
互いにロータス乗りである二人しか来なかったのは、ある意味何かの証明かもしれない。

今夕から夜にかけて台風接近に伴う雨が振ると言う。
その為今朝しかないと考え暑い中苦労して箱根某所に向かったが、そこには夏の暑さよりも熱い走りがあった。

やはり週末はこうでないと!
いやぁ、今朝も楽しかった!


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